カナダ バンクーバー州・林 寿子さん
あなたの留学先・留学校・専攻はなんですか?
カナダ バンクーバー州/サイモンフレーザー大学/教育学
あなたの留学の目的は何ですか?
海外で他者(外国人)という立場で異文化間教育を実生活で理解しながら研究し、将来学校教育でそれぞれの生徒の立場(家庭、文化)、言語環境を理解し、生徒が最大限学べるような教育環境を提案できるような立場になりたいので、留学という形をとりました。多文化多言語国家カナダにおいて、どのように異なる人種、言語を持つ移民が共生し、学びあうのか興味があり、現地で生活しながら理論、実践を学ぼうと決心しました。
専攻していた科目の学習内容、成績について教えてください。
教育学、カリキュラム理論応用学科でしたが、プラトンやジャンルソーなど西洋哲学からはじまり大変な思いをしました。科目は必修以外にも自分の専門の言語教育や多文化主義に関係する授業を取ったり、聴講したりしていました。論文は多言語を話す大学生の自己形成なので、これに関しては、専門の教授たちや学生とミーティング方式の個人授業で単位をもらいました。これまで履修した授業の中で、最も興味深かった授業はどのようなものですか?また、その理由は何ですか?
現在は、学会でどのような研究に興味をもたれているのか、また同じ博士課程の学生がどのように研究法を決め、分析し、結果をまとめあげているのかというのが私の一番興味のある事です。また、言葉の使い方。教育学では日常生活を掘り下げた事を研究している人が多く、理系とは違い、英語力に左右される部分も多い分野です。どのような言葉の使い方が学術的で、私の分野で好まれているのかという事を学会で毎回学ぶ事は、とても貴重です。 今回学会で興味深かったのは、多文化主義の批判でした。多文化主義を政治的、社会文化的、自己形成的、などいろんな角度から分析した中国系の学生がいました。彼女は、カナダの多文化主義は、政治的なものであり、学校教育においては、multicultural education よりも anti racism という名前にした方がわかりやすいと結果をだした事です。また、カリキュラム政策で、ビデオをつかってショートフィルムをつくりながら、多教科にわたり学ぶ学校の紹介にも関心をひかれました。これは、日本の総合学習の概念に似ている部分もあり、非常に参考になりました。
あなたと同じ専攻での留学を考えている方には、あなたの大学はお勧めだと思いますか?また、その理由は何ですか?
勿論、教授の研究と自分の研究が似ている方にはおすすめです。ブリティッシュコロンビア州では数年前から州からの予算が削減されているので、大学院も次々新しい学科を作り(細分化)、予算の獲得に必死です。学科が細分化するにつれ、もちろん、研究者の数も増え、奨学金(生活費程度)の獲得も難しくなっています。また、留学生用の博士号、修士号のプログラムも教育学部は提供するようになりました。こちらのプログラムは、先生方も文化や言語の違いに敏感で学生にあわせて研究をすすめているような感じです。サポートがたくさん欲しい学生にとっては、こちらのプログラムをお薦めしますが、ガツガツ一人でもがんばれる人には、従来のプログラムをお薦めします。研究的には、教授により、大学院生活というのは� ��60度変わります。また、留学生が少ない学部でもあるので、大変な事は多々あると思います。興味のある方は、是非忙しくても学会、または当校で自分の狙う教授達とアポをとり、積極的にコミュニケーションをとりながら注意深く決断したほうがいいと思います。全体的に当校を薦められるかというと、研究分野が当校にちゃんとあるという方にはおすすめします。
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在学中にインターンシップをしますか?その際の手続きは大学を通して行いますか?どのような内容のインターンシップですか?
インターンシップの予定はありませんが、教育学部の大学院生に向けてのインターンシップは在籍している間1件しか募集がありませんでした。学生のほとんどが、大学内で助手や、講師、研究助手としての仕事、または外部の教育機関にて教鞭をとっているのもインターンシップの募集がない要因なのかもしれません。学部におきましては、Coop Program というオフィスにおいてインターンシップの斡旋などしているようです。
留学の準備は、留学開始のどのくらい前から始めましたか?準備開始から入学までのスケジュールを教えてください。今後留学を考えている人が注意しないといけないことは何ですか?
9月入学の場合だと、締め切りは11~2月と各大学によって違います。まず、大学に連絡をとって教授とのコミュニケーションをはかるか、どの教授がどのような研究をしているのかリサーチする必要があります。申込書の企画書には、具体的にどのような研究がしたいのかを、目的の教授の研究と重なるように書くことをお薦めします。研究の企画というのは、研究法で内容が微妙にかわったり、大学院に進み授業をとっている間に考えが変わったりするので、絶対に入学時の企画に沿わなくてはいけないと考える必要はありません。ただ、目的の教授を各大学で決めて、その教授が興味のありそうな研究案を書かないことには、合格しないと思います。準備としては、大学のホームページでメンターシップ(先輩等)との連絡がと� ��るかどうか確認すること、寮に住みたい場合は合格書をもらう前でも半年位前には応募締め切りをするので、チェックをして押さえておくこと(恐らく、手数料が数十ドルかかりました)、大学の行事などをみたり、奨学金の可能性、または助手(これも恐らく入学する前に手続きをしておくとよいでしょう)の有無などを確認しておくことが大切だと思います。また、生徒会が活発だと、いろいろな情報交換ができるので、学部の生徒会に連絡をとって、自己紹介くらいはしておくと、入学してから気持ちに余裕ができるのではないかと思います。
留学大学に入学するにあたり、どのような手続きやテストが必要でしたか?
修士号をビクトリア大学(カナダ)で取得したため、英語能力(TESOL等)を問うものはいりませんでした。博士の応募の前提が、論文を書いたことのある事らしかったので、修士論文に力を入れたこと、学会で発表したり、分野に関するボランティア、仕事をするなど幅広い準備をしました。手続きは、どのような事を学びたいか、学科に貢献できる事のエッセイ、レジュメ、推薦状が主なものなので、エッセイに力を入れました。それと、Publicationがあると入学するのに優位だと聞き、修士号が終わった後、博士の入学応募期間までに1本仕上げました。
留学校を決めるにあたって利用した資料、機関などはありますか?
インターネット、E-mailで教授と連絡をとり、実際話をした上で決めました。学費、研究分野なども検索しました。大学のウェブサイトが一番ためになりました。
現在の留学校に決めた一番の理由は何ですか?
サイモンフレーザー大学は、マルティカルチュラルで、日本人が少ないという立地条件、自分のテーマに合う研究をしている教授がいらっしゃること、大学院生が活発に学会に行ったり、研究業績をあげ、生徒のほとんどが教職者(小・中・高・大学)などで、理論と同時にいろいろな実質的な会話ができること、授業料が安いことなどから決めました。
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留学大学の全在学生数(規模)、1クラスの学生数はどのくらいですか?また、その1クラスの規模(少人数、大人数等)によるメリット、デメリットは何ですか?
大学全体の生徒数は2万4千人と言われています。私の学部は、博士課程の学生は年間13人程度入学し、各クラスは13人までという規制があります。13人というと少人数に聞こえますが、博士課程の研究を細かくみるという事を考えると、理想的には私達の学部では5人前後が少人数であると大多数の院生は認識しています。ダイレクティドレーディングといって、自分で教授に学期計画を出して一対一で研究内容などをみてもらえ、単位をもらえる制度もあります。教授によっては、他の学生とペアにしてミーティング形式で一学期を過ごす事もあります。13人の大クラスをとった場合のメリットは、多様な意見を聞ける事、全ての文献を二度読みしなくてよい事ですが、その反面教授から細かな指導をしてもらえないこと、� ��分の研究とあまり関係のない文献も読まなければいけない事です。個人でみてもらうと、リサーチ、文献一冊にかける時間が増え大変ですが、学期が終った後の充実感と、達成感はやはり感慨深いものです。また、学会に向けての準備もこういった個人やペアでの指導ではしっかり観てもらえる事が一番のメリットだと思います。
学内における留学生数、及び日本人留学生数はどのくらいですか?
カナダの大学は、一般的に留学生が年々増えてきています。私の大学も立地条件(北アメリカ西海岸)がいいこともあり、アメリカのテロ後の規制が厳しくなりビザが取れにくくなった各国の学生がカナダ留学をするようです。学部生は、授業料も高いので、人数は多いですが比率は少ないと思います。修士、博士課程は、30%位が留学生だと耳にします。日本人留学生に関しては、他大学に比べると少ないように思います。全学部における日本からの留学生は、年間20人前後だった気がします。教育学部の修士、博士課程においては、年間のべ0人から1人といったところです。
日本人留学生同士で交流はありますか?
大学には、公式な日本人会があるようです(ホームページでも検索するとあるはずです)。日本人、日系人、日本の文化、言語に興味のある学部生中心に成り立っているようで、ソーシャル面でのサポートがあり、スポーツ、音楽活動、パーティーなどがも催され、近辺大学との提携があるようです。寮生活で知り合った日本人の友人とは、今でも交流していますが、他大学の日本人院生とも学期(忙しい時には年間)に一度くらい交流を図り、お互いの状況を報告し合い、励まし合っています。
学内に、留学生をサポートする機関はありますか?その機関から、どのようなサポートを受けることができますか?
SFU International という国際センターが大学内にあります。このセンターでは、留学生の学生ビザ、就労ビザのサポートをしてくれたり、留学生の相談窓口でもあるようです。E-mailのリストで、このセンター主催、共催の勉強法、就職活動の仕方、クリスマス会、各国領事館から転送されてくるお知らせなどを知らせてくれたりします。また、メンター制度といって、新しく来た留学生のサポートをするボランティアを募り、ペアを作り、留学生同士が助け合うという環境も提供しているようです。留学生が困ったら窓口に、と入学当初のオリエンテーションで言われたので、問題がおきて対処法が分からないときなども、どのようなサポートを受けることができるか情報提供はしてくれると思います。
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どのような宿舎に滞在していますか?その宿舎を、どのようにみつけましたか?
現在は、大学から30分以内の住宅地(駅から徒歩10分)にルームメイトと一軒家を間借りしています。一階の半分(2つのベッドルーム、キッチン、リビング、バスルーム付き)で、1人460カナダドルかかります。家賃は、光熱費込みで、生活費は、この家賃と携帯電話代と食費が主です。大家さんは、日系人(3世)で、とても親切にしてくれます。バンクーバーの人たちが使うインターネットの掲示板で、この家をみつけましたが、これ以外にも、大学のオフキャンパスのサーチエンジン、大学内の広告、日系新聞(新報)など全て目を通し、10件以上電話して、その中でよい物件を3件ほど選び見学して交渉した上で決めました。大学に入って1年目は寮がお薦めですが、私の場合は、寮に2年いたので、気分転換と環� ��の変化を求めて大学の外に出ました。また、見学する場合は、安全のため、必ず同伴者を連れて行くことをお薦めします。
学費や生活費など、留学するのに年間どれくらいの費用がかかりますか?
バンクーバー2010冬季オリンピックに向けて全体的に家賃の値上がりが顕著でしたが、金融危機に伴い少しは落ち着くと思います。一カ月の生活費は、間借り/寮生活(自炊)の場合、1000—1500ドル、寮(食事つき)の場合2000ドル弱、一人暮らしの場合1500−2000ドルかかるでしょう。あくまでも学費と一時帰国やホリデー予算は別としての生活費です。学費に関しては、本校は大学院生を地元の学生と同じ枠で受験すると地元の生徒と同じ額です。初めの8タームくらいまで(正確には覚えていませんが)一学期およそ2000ドル強、その後卒業までは、1000ドル強です。
留学するにあたり、どのような保険に加入していますか?
British Columbia (BC) 州は6カ月以上の滞在者は州の保険加入が義務づけられています (月55ドル程度)。申請してから加入までおよそ3カ月かかるようなので、その間は日本からの海外保険などに加入するといいと思います。また、BC州の大学院生は学生組合が契約した保険会社にも州がカバーしない医療保険のために入る義務があります(一学期:4カ月120ドル弱)。この保険はExtended Insurance といわれ、歯医者、公認マッサージ、ホメオパシー、コンタクトレンズ、目のレーザー手術、眼鏡、松葉杖、整体、鍼などに使えます。
留学国で、医療機関にかかったことがありますか?その際に、困ったことはありますか?
特にありません。カナダは医療、福祉が経済面では発展しているので健康診断も毎年受けるようにしています。また、言葉に不安な場合は日本語の話せるお医者さん、歯医者さん等そろっているのがバンクーバーのよい所です。一般的な問題は、専門医に行くのに紹介状が必要なので、まずは総合診療所を尋ね、専門医に見て欲しいので手続きをして欲しいと訴えなくてはいけないことが時間と手間がかかるという事くらいです。
日本から留学地域へは、どのように行きますか(飛行機の乗り継ぎ、空港からの行き方等)?
中部国際空港から成田まで国内線、もしくは、成田まで新幹線、電車を使いバンクーバーまで直行です。成田までわざわざいくのは、日本航空が一番気持ちよく使える会社で、他社と比べても値段があまり変わらないからです。バンクーバー空港からは、市バスでダウンタウンまで一本で行き、バラード駅前で下車、スカイトレインという電車の東行きに乗り、ブロードウエイ駅で下車、ミレニアム線のコマーシャルドライブ駅まで徒歩3分移動し、ミレニアム線の東方面行きに乗り換えてホルドン駅で下車。北に向かって徒歩10分です。オリンピックが開催される前には、バンクーバー空港からダウンタウンまで電車が通るようなので、スカイトレインでステイ先まで早く帰る事ができるようになるでしょう。
留学地域の治安について(注意しなければいけないこと等)
治安はとてもいいです。常識を持ち普通に生活している分には全く問題ありません。日頃から気をつけている事は、夜遅く出歩かない、脇道を通らない、裏道は日中でも歩かない事。また、夜歩く時はまっすぐ前を向き、早歩きをしています。バス停又は駅の近くに住む事です。また、大家さんがいる家に間借りをして住んでいる事と、近所付き合いがある地域なので、わりとネイバーウォッチ(お互い近所同士安全に気を使って見張っている)があるのではと思います。バンクーバーはワーキングホリデーなど短期滞在の方も多い街なので、英語が自由に扱えなかったり、下調べをせずに行動を起こすと詐欺にあったり、家探しで契約をしっかりしていなくて後に問題になるなどといった事は多少聞きます。
留学国・地域に、三重県人会、日本人会などはありますか?ある場合、その会はどのような活動をしていますか?あなたは、その会と関わりがありますか?
日系人、日本人がたくさんいるので、何県か県人会や、大学の会、女性の会、など数えきれない程、日本人に関する団体はあるようですが、私はバンクーバーの隣組という日系人のお年よりや新移民を対象とした非営利団体のボランティア、理事の一人として今年の2月まで4年間活動してきました。この団体は1974年に発足した福祉団体です。過去には、短期滞在者に向けて、異文化適応法、英語上達法、カナダでの就職活動というワークショップをボランティアの仲間と企画し運営した事があります。理事としては、基金集めのパーティーの企画を手伝ったりしていましたが、学生なのでできる事は限られていました。また、こちらでオッペンハイマー公園(旧日本人町)の遺産桜を守る会という連合会が発足した際には書記を� ��年の春は担当しました。メンバーは日系カナダ人、新一世の人達で、日系カナダ人の一世が植樹した桜が市の公園管理局により取り除かれるという事に対する反対運動と、文化/歴史継承の活動をし、結果的に市が記念碑を作ること、桜の木の大多数は保存され、3本取り除かれるうちの1本は移植と決議されました。これは、教育学で多文化主義などを勉強するうちに文化を継承する事に感銘を受け、実際に多文化主義社会がどのように成り立っているのかというプロセスをみる上では、個人的ですがとても勉強になりました。
卒業後の進路について(進路、インターンシップ、日本又は海外での就職活動等)
卒業後は大学機関、またはコミュニティー団体で学生や、移民の人たちに語学教育が出来たらと思っています。在学中には、多方面にわたり、言語、異文化教育、交流、留学生に携わることができました。
1) English as an Additional Language(EAL)のオンラインコースの助手
2) 教育心理学の児童社会心理の助手
3) 社会教育の助手
4) 多言語の大学生の自己形成についてのリサーチ
5) 大学日本語中級講師
6) 国際交流の提携のときの通訳
7) 日本からの短期留学生に、小学校英語教師養成のカリキュラム政策と講師を私立のカレッジで担当
8) 日系社会の継承文化、歴史に携わるプロジェクトチームに参加
9) 日系団体の理事活動
留学で得た知識や経験を、三重県の教育、文化、産業の発展に今後どのように貢献できるか
研究分野と留学中の経験を活かした活動を通して、三重県に貢献していきたく思います。
教育者向け
1) 外国人児童指導のワークショップ(異文化間教育・国際交流・他言語教育)
2) 小学校英語(カリキュラム・レッスン案指導―1-2週間のワークショップもできます)
3) 中学、高校英語全般
4) カナダ留学で学んだ事(どのように多文化から来る学生をまとめているのか、国語教授法、英語教授法から全般 的な学校の取り組み方など)
5) 聴講者・参加者の希望でどのようなワークショップができるかなども相談承ります
学生さん向け
1) 英語上達法
2) 異文化間教育
3) 留学・語学研修前のワークショップやオリエンテーション(ホームスティ、学校についてなど)
4) スピーチコンテストなどの練習
一般向け
1) 私にできることがあれば、ご要望にお答えできる範囲で貢献したいと思っています。
2) 移民・外国人在留者と学校とのコミュニケーション
3) 英語上達法
4) 異文化間教育
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